神獣使いのお気に入り

「何か気になる点でも?」

そう言って立ち上がり中央テーブルの資料に目を向けるユリウス。

あなたに見惚れてました、なんて言えない。

「そ、そういえば先ほどの方って…」

「フィリップ殿下のことか??」

やっぱり、殿下って呼んでる。

「王族の方だったんですね…」

「知らなかったのか、一応第二王子だな」

面白そうに笑っている。私はちっとも面白くないしむしろ何かしでかしてないか不安で仕方ない。

「何かしてくるようなことがあれば何でも話してきてほしい」

フィリカ嬢の名前もフィリップに覚えられてしまったしな…
まっすぐ、フィリカの瞳を見つめると潤んだエメラルドの瞳が自分を見上げていた。

思わず、フィリカの頭に手を置いて撫でる。

昼間会った時とは違う、土汚れの取れたフィリカは貴族に言い寄られることが多い騎士団員たちの中でも話題にあがる美女だ。

団員たちが脈なしだったと玉砕しているのは聞いたことがある。

ローズヘアとエメラルドの瞳を持つ彼女だが、その見た目よりも謙虚な心持ちと一生懸命に働く姿が人気を博している理由だ。





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