神獣使いのお気に入り
今日、声をかけたのも誘(いざわな)われたからだ。

白狼の相棒であるヨルが獣舎までしか騎乗させてくれなかった。

普段は騎士団の詰め所で降ろしてくれるのに途中で旋回したかと思えば、白狼の獣舎で下されたのだ。

「主、少し寄って子供たちを見てきてくれ」

と、脳内に流れるヨルの言葉。

騎士団の神獣使いは相棒が出来ると会話ができるようになるとは聞いていたが、テレパシーのような念話だ。

たまに周りの神獣たちの声や白狼の子供たちの声も聞こえてくる事がある。

ヨルは神獣の中でも力が強いらしい。

相棒として選ばれた俺は当時5歳だったが、その頃からあらゆることをヨルに先導されてきた。

全てが必然でありながら、どこか先を見通す力があるヨルだから今日も獣舎を見にいくよう促した。

特別清掃に浮き足立つ宮殿の中ただ1人獣舎に残り白狼の世話をするフィリカを見つけた時、ヨルが手に入れてこいと言っているような気がした。




< 18 / 43 >

この作品をシェア

pagetop