神獣使いのお気に入り
白狼の視線はまっすぐわたしを射抜いて、そのまま少し開いていた扉から中に入ってきた。
首に宝石の付いた首輪をつけている白狼はユリウス様の相棒だ。
綺麗なアメジストの瞳が白い体に映え、手入れされている毛並みはツヤツヤしている。
一歩ずつ近づいてきた白狼はベッドのすぐそばまで来ると頭をベッドにつけて私の足に擦り寄ってきた。
成長した白狼と触れ合う機会はないので、初めての近距離で迫力を感じる。
そのまま挨拶するように舌を出してペロリと肌を舐められた。
『フィリカ、いつも子供たちの世話をしてくれてありがとう。感謝している』
真っ直ぐ心に届いた言葉に驚く。
この声!!白狼って話せるの!?
『主が落ち込んでる理由がわからないだろう?ユリウス、私から話しても良いのか?』
口元が動くわけではなく、脳に直接話しかけられているような感覚。
ユリウス様が泣き出しそうな顔をあげた。