神獣使いのお気に入り
白い身体は夜の闇に浮かび上がっている。
遠くの獣舎から見えていた姿は次第に近づいてきた。
電気も灯さず外を見ていたウィルは気がついた。
ヨルの背に人影が見える。
ユリウスの長身ではなく華奢で小柄なそのシルエットに目を見張った。
フィリップはだろ?と目配せをする。
女の子を乗せて白狼が飛行するなんて初めて見た。
元来、騎士団員ですら心を通わせるまで騎乗させてもらえずしばらくは背から落とされる訓練から行うほどだ。
いつもの瞬足ではなく優雅な飛行が故にその姿を鮮明に見ることができた。
いつもは束ねられているピンクローズの髪が夜風に舞い、泥のついていない彼女は月と夜空に煌めいていた。