神獣使いのお気に入り

その翌日

掬ってはスプーンから溢れていくスープを掬う、その動作をウィルは繰り返していた。

「ウィル、どうしたのです?」

上の空で朝食を食べる息子を案じた公爵夫人が声をかける。

なんでもないと返事をするが、昨晩の衝撃的な光景が脳裏に焼き付き離れない。

あのユリウスとみんなのマドンナであるフィリカの逢瀬。

2人が部屋に入った後はいろんな想像をしてしまい、足早にフィリップの部屋を出た。

フィリップは知っていたかのような口ぶりだったな。

それなりの身分と整った容姿だと自負しており女性にモテると思っていたが、唯一玉砕した相手がフィリカだった。

エメラルドの瞳をキラキラと輝かせて話を聞いてくれるフィリカを自分に振り向かせられたらと何度思ったことかわからない。

何度か食事に誘ったが頷いてくれることは一度もなかった。

それならばと獣舎に通い、言葉を交わす回数を増やしてきた。




< 42 / 43 >

この作品をシェア

pagetop