神獣使いのお気に入り

「廊下にね、素敵な彫刻や絵画が飾ってあって床は全て絨毯が敷かれてふかふかなの!!」

「食堂で銀食器を並べたのだけど、ほんとに素敵な輝きなのよ…思い出しただけでもうっとりしちゃうわ」

マーヤとディアナは競って煌びやかな場所を教えてくれた。

「ウィル様が声をかけてくれて、居住区も少しだけ覗いたのだけど一部屋がとても広くて素敵なお住まいだったわ。みんなの羨望も集めちゃって獣舎勤めで得しちゃったわ」

少しだけ頬を赤らめて話すシアラは恋する乙女のようだ。

ウィルは騎士団の副団長でユリウスと人気を二分する甘いルックスの持ち主だ。

庶民にも気さくに話しかけてくれるため、幅広い支持を集めている。

みんなの話を聞いているとなぜ参加しなかったのかと悔やまれる部分もあるが、白狼たちの嬉しそうな顔を見ればそんな思いは吹き飛んだ。


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