神獣使いのお気に入り
「フィリカばかり白狼たちのお世話させちゃってごめんなさいね。でも、白狼たちのお世話が1番似合ってるわ。」
少し嫌味っぽく話すイザベラ。元貴族らしい彼女は獣舎配属を嫌がり何度も配置換えを願い出ているらしい。
白狼たちも憎悪を感じ取るのかイザベラにはその美しい毛並みを触らせることはしない。
「みんないい子だったし、わたしはこの子達と一緒にいたかったから問題ないわ。」
言葉がわかっているかのように白狼たちはそばに寄ってきてすり、と身体を寄せてきた。
こんな可愛い姿もあと半年もすれば立派な成獣となって見れなくなってしまうのだ。
成獣になれば騎士団へ引き渡す
簡単に会うことも出来なくなってしまう。
視察で地方に出ることも増え、戦いが起これば戦地に赴くことだってあるのだ。
屈んで頭を撫でてやれば、ころんと寝転がりこっちも撫でてとばかりにお腹を見せる。
しばらく戯れて、片付けをする。
18時の終業時間を迎えて獣舎を閉めてみんなで湯浴み殿に向かった。