例えばその夕焼けがどれだけ綺麗だとしても



「どうして、ここに……」


自分は今どんな顔をしているのか、沙耶は分からなかった。
再会するとは思っていなかった。
再会する時どんな顔をして会うのか、想像もしていなかった。

ただ、狼狽えている自分がいるのは確かだった。


「どうしてじゃないですよ。」


坂月は、そんな沙耶とは正反対に、落ち着き払っていて、穏やかだ。
彼の纏う空気を、沙耶は好ましく感じていた。
その優しさに、幾度救われた事か。


「貴女は、、、無茶ばかりして、自分だけ格好良く姿を消すなんて。狡すぎます。」


言われて、数か月前の自分の行動が走馬燈のように蘇ってくる。


「狡いだなんて……。まぁ、確かに、でしゃばりましたけど……結果的に格好悪かったですし。」


沙耶は、石垣と坂月の両方を助けたい故に、自分の大切なものと引き換えにして、二人の関係が壊れてしまわないように奔走した。

が。どうしてか、結局二人に守られてしまう結果となってしまった。

何故自分の手の内が色々とバレてしまっているのかは、もう深く追求しないことにする。
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