A Maze of Love 〜縺れた愛〜
「この気持ちを伝えるために、明日、お宅にお伺いしたいと思っていましてね。その際、彼女とふたりきりにさせてもらえないでしょうか」
一馬は微笑みを崩さないまま、彼女の手に封筒を握らせた。
「たまのお休みですから、街にでも出て、ゆっくりなさってください」
金まで渡して自分に留守にしてくれという、一馬の意図は明白だった。
「はい……わかりました」
でも、凪咲の母は了承した。
一馬は社長の長男で、会社を継ぐ人。
こんな玉の輿に乗れるなんて、娘はなんて幸せなんだろう。
自分とは違い、一生、お金の苦労をせずに生きていける。
しかも、横にいたら誰もがうらやむような素敵な人だし。
これは娘のためだ。
凪咲の母は、そう自分に言い聞かせた。
そして一馬は、ケガで思うように動けない凪咲を、無理やり自分のものにした。
凪咲は必死に抵抗した。
でも、逃れられなかった。
それは凪咲にとって、はじめてのことだった。
とっくに大翔と経験しているだろうと考えていた一馬にとって嬉しい誤算だった。
このことを知ったら、大翔はどれほど嘆くだろう。
茫然と横たわっている凪咲を見つめながら、一馬は嗜虐的な喜びに浸った。
一馬は微笑みを崩さないまま、彼女の手に封筒を握らせた。
「たまのお休みですから、街にでも出て、ゆっくりなさってください」
金まで渡して自分に留守にしてくれという、一馬の意図は明白だった。
「はい……わかりました」
でも、凪咲の母は了承した。
一馬は社長の長男で、会社を継ぐ人。
こんな玉の輿に乗れるなんて、娘はなんて幸せなんだろう。
自分とは違い、一生、お金の苦労をせずに生きていける。
しかも、横にいたら誰もがうらやむような素敵な人だし。
これは娘のためだ。
凪咲の母は、そう自分に言い聞かせた。
そして一馬は、ケガで思うように動けない凪咲を、無理やり自分のものにした。
凪咲は必死に抵抗した。
でも、逃れられなかった。
それは凪咲にとって、はじめてのことだった。
とっくに大翔と経験しているだろうと考えていた一馬にとって嬉しい誤算だった。
このことを知ったら、大翔はどれほど嘆くだろう。
茫然と横たわっている凪咲を見つめながら、一馬は嗜虐的な喜びに浸った。