極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 二葉もポトフを食べる。鶏もも肉にキャベツとタマネギ、ジャガイモとニンジンという、まさに冷蔵庫にあったものをコンソメで煮込んだだけなのだが、野菜の自然な甘みのおかげで、自分でも上手にできたと思う。
「仕事を終えて帰ってきて、二葉の手料理が食べられるなんて幸せだな」
 そんなふうに言われるだけでも嬉しいのに、誰かと――それも大好きな人と――一緒に食事をすることがこれからずっとできるのだ。それを思うと、二葉も幸せだった。
 食べ終えたあとは、奏斗はコーヒーを、二葉はルイボスティーを飲みながら、ソファでくつろいだ時間を過ごす。
(お風呂は一緒に入るのかな)
 二葉はコーヒーを飲む奏斗を見ながら、内心ドキドキする。
 イギリスにいたときシャワーは別々に入ったのだが、気持ちが通じ合って一緒に暮らすことになったのだ。
(やっぱり一緒に入るよね。まだお腹も出てないし……うん、大丈夫)
 そんなことを考えていた二葉に対し、奏斗はあっさりと言う。
「二葉、先に風呂に入って寝るといいよ。俺は少し仕事もしたいから、あとで一人で入る」
「えっ、そうなんですか?」
「ああ。それから、遅くなると悪いから、俺は和室で寝るよ。予備の布団はある?」
「ありますけど……」
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