極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 寝るのまで別々だなんて。
(『二葉と一緒がいいに決まってる』って言ってくれたのに……)
 二葉はがっかりして肩を落とした。
「お仕事、忙しいんですか?」
「そういうわけじゃないんだが、進めておいたら明日早く帰れるから」
 奏斗は二葉と目を合わせず、空になったコーヒーカップとティーカップを持って立ち上がった。
「そうなんですね。じゃあ、押し入れに来客用の布団があるので、出しておきます」
 二葉の言葉を聞いて、奏斗はハッとしたように二葉を見た。
「いや! 二葉は重いものは持たない方がいい。自分のことは自分でやるから、気にしないでくれ」
「でも」
「二葉は自分の体調のことだけ考えてくれ。いいね?」
 奏斗は念を押すように言って、シンクに向かった。その背中を見送りながら、二葉は渋々答える。
「……わかりました」
 奏斗が食器を洗い始め、会話が途絶えた。
 二葉は寂しさと不満を抑えきれず、小さく頬を膨らませてバスルームに向かった。



 翌朝、二葉は部屋のドアをノックされる音で目を覚ました。
「おはよう、二葉。体調はどう?」
 二葉は目をこすりながらベッドに起き上がった。妊娠してからほぼ一日中眠気を感じているのだが、今日はいつもよりマシな気がする。
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