極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
ある意味、お似合いの夫婦だけれども。
内心呆れる二葉の前で、二人はクスクス笑いながら話をしている。
「んもう、圭太郎ってば」
「おっと、俺としたことが当然のことを言ってしまった」
これ以上ここにいても不愉快になるだけだ。
二葉がその場を離れようとしたとき、横から二葉の腰にすっと誰かの手が回された。顔を向けると、奏斗が二葉に寄り添っていた。
「二葉、診察終わった?」
彼はにっこり笑って二葉の顔を覗き込んだ。
「あ、うん」
「じゃあ、あっちで待っていよう」
奏斗が二葉を促したとき、圭太郎が弾かれたように立ち上がった。
「おい、待てよ。結婚したんなら俺に紹介しろよ」
その圭太郎のジャケットの裾を妻が掴む。
「圭太郎、お兄さんか誰かよ。だって二人とも指輪してないもの」
「ああ、そうか。俺を蔑ろにするような二葉なんかに――」
なにか言いかけた圭太郎の言葉を、奏斗がにこやかに遮る。
「あれ、妊婦さんに席を譲ろうとして立ち上がったんじゃないんですか? 中待合室から出てきた妊婦さんが、席が空いてなくて困っているようですよ」
二葉が中待合室の方を見たら、奏斗の言う通り妊婦が二人出てきて、空いた椅子を探して外待合室を見回していた。
内心呆れる二葉の前で、二人はクスクス笑いながら話をしている。
「んもう、圭太郎ってば」
「おっと、俺としたことが当然のことを言ってしまった」
これ以上ここにいても不愉快になるだけだ。
二葉がその場を離れようとしたとき、横から二葉の腰にすっと誰かの手が回された。顔を向けると、奏斗が二葉に寄り添っていた。
「二葉、診察終わった?」
彼はにっこり笑って二葉の顔を覗き込んだ。
「あ、うん」
「じゃあ、あっちで待っていよう」
奏斗が二葉を促したとき、圭太郎が弾かれたように立ち上がった。
「おい、待てよ。結婚したんなら俺に紹介しろよ」
その圭太郎のジャケットの裾を妻が掴む。
「圭太郎、お兄さんか誰かよ。だって二人とも指輪してないもの」
「ああ、そうか。俺を蔑ろにするような二葉なんかに――」
なにか言いかけた圭太郎の言葉を、奏斗がにこやかに遮る。
「あれ、妊婦さんに席を譲ろうとして立ち上がったんじゃないんですか? 中待合室から出てきた妊婦さんが、席が空いてなくて困っているようですよ」
二葉が中待合室の方を見たら、奏斗の言う通り妊婦が二人出てきて、空いた椅子を探して外待合室を見回していた。