極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「そのバッグも、よけたらもう一人座れますよね?」
奏斗は、圭太郎の右横の席に無造作に置かれているボディバッグを視線で示してから、スッと目を細めて圭太郎を見た。顔は笑みを保っているが、目はまったく笑っていない。
二葉は圭太郎に向き直り、淡々とした口調で言う。
「野中さん、具合でも悪いなら無理にとは言いませんが、せめてそのバッグは膝の上に置くべきでしょう?」
「あ、や、別に俺は」
圭太郎は口の中でもごもご言いながら、ボディバッグを手に取った。妻は小さく咳払いをして、奏斗に顔を向ける。
「あの、あなたは二葉さんのお兄様ですか? それともいとこですか?」
そう尋ねた圭太郎の妻は目が輝いていて、頬も紅潮している。まるで憧れの俳優に偶然会ったかのような表情だ。
(まさか奏斗さんがイケメンだから……!?)
二葉は驚きながら圭太郎の妻を見た。
奏斗は圭太郎の妻にはなにも答えず、ジャケットのポケットから黒い小箱を取り出した。
「二葉、レントゲンを撮るわけじゃないんだから、指輪は外さなくてもよかったのに」
奏斗は小箱の蓋を開けて、中に入っていた指輪を抜き取った。それは優美なラインを描くプラチナのリングで、中央に大粒のダイヤモンドが輝いている。
奏斗は、圭太郎の右横の席に無造作に置かれているボディバッグを視線で示してから、スッと目を細めて圭太郎を見た。顔は笑みを保っているが、目はまったく笑っていない。
二葉は圭太郎に向き直り、淡々とした口調で言う。
「野中さん、具合でも悪いなら無理にとは言いませんが、せめてそのバッグは膝の上に置くべきでしょう?」
「あ、や、別に俺は」
圭太郎は口の中でもごもご言いながら、ボディバッグを手に取った。妻は小さく咳払いをして、奏斗に顔を向ける。
「あの、あなたは二葉さんのお兄様ですか? それともいとこですか?」
そう尋ねた圭太郎の妻は目が輝いていて、頬も紅潮している。まるで憧れの俳優に偶然会ったかのような表情だ。
(まさか奏斗さんがイケメンだから……!?)
二葉は驚きながら圭太郎の妻を見た。
奏斗は圭太郎の妻にはなにも答えず、ジャケットのポケットから黒い小箱を取り出した。
「二葉、レントゲンを撮るわけじゃないんだから、指輪は外さなくてもよかったのに」
奏斗は小箱の蓋を開けて、中に入っていた指輪を抜き取った。それは優美なラインを描くプラチナのリングで、中央に大粒のダイヤモンドが輝いている。