極秘の懐妊なのに、クールな敏腕ＣＥＯは激愛本能で絡めとる

「嫌だと言われても困ります」
「どうして急にそんなことを。理由を教えてほしい」
「理由って……三ヵ月も離れていられないからです」
「俺が会いに来る。二週間後ぐらいなら数日休暇を取れるはずだ」
「でも、そう何度も何日も休めないでしょう？」
　それに航空券だってそれなりの金額がする。気軽に何度でも来られるわけじゃない。
「そう……かもしれないが、それでも俺は二葉を諦めたくない」
　二葉はゆっくりと首を横に振った。
「今はそう思っても、三ヵ月も経てば気持ちは変わるはずです」
「二葉は自分の気持ちが変わると思っているのか？」
　奏斗に問われて、二葉は視線を落として答える。
「奏斗さんのことは忘れられないと思います」
「だったら、君が気にしているのは俺の気持ちなんだな？　君を好きな気持ちは絶対に変わらない。信じてほしい」
　二葉はゆっくりと視線を上げた。奏斗の強い眼差しとぶつかり、二葉は目の奥がじわりと熱くなる。
「信じたいけど……怖いんです。元カレは三ヵ月って約束したのに、浮気をした挙げ句、私には三ヵ月待つほどの価値がないって言ったんです」
　だから……奏斗もきっとすぐに、二葉よりももっと価値のある女性を見つけるだろう。だって、彼はついさっき、三ヵ月離れていられる自信がないと言ったのだから。