極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「……ん……っ」
 滑らかなチョコレートを味わっていたはずなのに、いつの間にか舌で二葉の口内を撫で回していた。
 チョコレートよりも甘くて、シャンパンよりも酔ってしまう。
「二葉」
 二葉の後頭部に手を添えてベッドに押し倒したら、彼女は頬を赤らめながら奏斗を軽く睨んだ。
「もう、さっきしたとこじゃないですか」
「二葉はもうしたくない?」
 奏斗は拗ねた口調で言いながらも、二葉の首筋から鎖骨へとキスの雨を降らせる。
「そ……んなことはないけど……でも、もっと奏斗さんと……お話……」
 二葉の不満そうな声が少しずつ蕩けていって……柔らかな肌に軽く歯を立てたら、二葉は甘い声を上げた。
「やぁんっ」
「嫌ならやめるけど?」
 肌に唇を触れさせたまま唇を動かすと、二葉は小さく身を震わせた。
「奏斗さんの……意地悪」
 そう言って目を潤ませる二葉が、このうえなく愛らしい。
「やめてほしくないなら、そう言って」
 わざと焦らすように言うと、二葉は小さく頬を膨らませた。
「奏斗さんはぜんぜん紳士じゃない。どうして紳士だなんて思ったんだろう」
 その表情がかわいくて、奏斗は思わず噴き出した。
「二葉の中では俺のイメージが崩れてしまったみたいだけど、俺にとって二葉は初対面のときからずっとかわいい女性だ」
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