極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「えっ」
顔を向けたら、さっきの男性が無表情で二葉を見ている。
『使ってください』
『ありがたいですが、あなたがお困りになりませんか?』
二葉が遠慮して尋ねると、男性は抑揚のない口調で答える。
『いいえ。会社の宣伝のために作ったものなので、使ってくださればこちらは宣伝になります』
若干、無愛想にも聞こえるが、本当に困っていたので厚意に甘えることにした。
『そうなんですね。では、遠慮なく使わせていただきます。ありがとうございます』
二葉はエコバッグを受け取って広げた。十五冊の本がじゅうぶん収まりそうな大きさだ。
中央に、落ち着いたグリーンでかわいらしい子葉――つまり二葉――の絵がプリントされている。その下に、素朴なブラウンの文字で〝Cotyledon Corporation〟と社名が弧を描くように書かれていた。社名を土に見立てて、そこから芽が出ているようなイメージだ。
(Cotyledon……コティリードンって二葉って意味だ)
もらったエコバッグに、自分の名前と同じ二葉を表す絵と文字がプリントされているなんて。
あまりにすごい偶然に、二葉は絵を見つめたままつい笑みを零した。
『デザイン、変ですか?』
男性の声が不満げな響きを帯び、二葉はハッとして彼に顔を向けた。彼はわずかに眉を寄せていて、表情も同じく少し不満そうだ。
顔を向けたら、さっきの男性が無表情で二葉を見ている。
『使ってください』
『ありがたいですが、あなたがお困りになりませんか?』
二葉が遠慮して尋ねると、男性は抑揚のない口調で答える。
『いいえ。会社の宣伝のために作ったものなので、使ってくださればこちらは宣伝になります』
若干、無愛想にも聞こえるが、本当に困っていたので厚意に甘えることにした。
『そうなんですね。では、遠慮なく使わせていただきます。ありがとうございます』
二葉はエコバッグを受け取って広げた。十五冊の本がじゅうぶん収まりそうな大きさだ。
中央に、落ち着いたグリーンでかわいらしい子葉――つまり二葉――の絵がプリントされている。その下に、素朴なブラウンの文字で〝Cotyledon Corporation〟と社名が弧を描くように書かれていた。社名を土に見立てて、そこから芽が出ているようなイメージだ。
(Cotyledon……コティリードンって二葉って意味だ)
もらったエコバッグに、自分の名前と同じ二葉を表す絵と文字がプリントされているなんて。
あまりにすごい偶然に、二葉は絵を見つめたままつい笑みを零した。
『デザイン、変ですか?』
男性の声が不満げな響きを帯び、二葉はハッとして彼に顔を向けた。彼はわずかに眉を寄せていて、表情も同じく少し不満そうだ。