極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 奏斗の心配そうな声が聞こえて、二葉は喉から絞り出すようにして声を出す。
「大丈夫、です。ちょっと貧血で……」
「それは大変だ。座ろう」
 奏斗の声がして、背中と膝裏に手が添えられたかと思うと、そうっと横向きに抱き上げられた。
「えっ、あの!」
「動かないでじっとして。助手席に座らせるだけだから」
 奏斗は片手で車のドアを開けると、二葉をゆっくりと助手席に下ろした。
 二葉は深呼吸をして、そうっと視線を上げた。すぐ目の前に心配そうな奏斗の顔がある。
 目が合って、奏斗が気遣わしげに問う。
「どう?」
「……もう、大丈夫です」
 奏斗は地面に片膝をついて、二葉の両手をギュッと握った。大きく息を吐き出したと思ったら、頬を紅潮させて興奮気味に口を開く。
「ああ、本当に二葉だ。信じられない! こんなところで会うなんて。どれだけ君に会いたかったか……。イギリスを経つ前に連絡をくれたら、どこの空港だろうと迎えに行ったのに。いや、でも、今こうして会えたんだからいいか。まだイギリスにいると思ってたのに、どうしたんだ?」
 奏斗に熱い眼差しでまっすぐ見つめられて、二葉はふいっと視線を逸らした。そんな二葉の仕草を見て、奏斗の口調が再び心配そうになる。
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