後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密

――そう言えば、今朝の頭痛も、五十嵐くんが頭を撫でてくれたら、痛みが治まるの早かったな…。もしかして薬飲むより頭撫でた方が治るとか?
そんなことってあるのかな?


教室に入って席に座り、リュックの中の荷物を取り出していると…


「松田さん、はよ!」


後ろから声をかけられた。


振り向くと、五十嵐くんがリュックをおろしながら、いつもの爽やかな笑顔で私を見下ろしていた。


「おはよ…」


さっきまでのことはなかったかのように。
まるで、保健室でのことは2人だけの秘密にしよう、と言われているような気がした。


朝、五十嵐くんの方から挨拶してもらえることなんて、なかったのに…。


それだけでも、五十嵐くんとの距離が近づいたような気がしていた。

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