後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密
それから何日か、雨が降り続いた。
私は、頭が痛くなると、五十嵐くんが来てくれることを期待して朝から保健室で休むようになった。
五十嵐くんは、その度に私を見つけては一緒の布団に入って頭を撫でてくれる。
頭をしばらく撫でたら、五十嵐くんも少し眠りにつく。そして、8時10分になったら私が起こす。
そんな風に朝、一緒に過ごしているというのは、
五十嵐くんと私の、2人だけの秘密。
雨が降ってサッカーの朝練がなくなる日だけじゃなくて、朝練が無い日でも、厚い雲が空を覆って気圧が低そうな時は保健室に寄ってくれているようだった。
『俺が来るの、期待してる?』
頭を撫でながら、そうやって聞かれたことが1回だけある。
私が『そんなことないけど?』って言ったら、五十嵐くんは『素直じゃないね』って言って優しく笑ってくれた。