後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密
――てことは、私はただの添い寝をしてくれるクラスメイトで、異性として意識されてなくて…きっと、五十嵐くんの眼中にもないんだ。
つまり私は、五十嵐くんの好きな人にはなれないってこと?
――それもそうか。そもそも私達って、そんなに会話もしてないし、相手のことを知る機会も、なかったもんね…。
告白する前に、失恋した気分だった。
さっきまで幸せだった気分が、一気に萎んでいった。
――帰ろうかな。五十嵐くん、眠れてるみたいだし。
そっと五十嵐くんの腕から体を抜いて、周囲に誰もいないことを確認してから、出窓の外に出た。
さっき通ってきたところを辿って、駐輪場へ向かう。
今日は雨が降ってなかったから自転車で学校に来ていた。
私は自分の自転車を見つけると、いつものように自転車を漕いで帰宅した。
――黙って帰ってきちゃったけど、五十嵐くんが寝るまでは一緒にいたんだし、いいよね?
なんとなく心が痛む気がしたけど、失恋した気分のまま、あの状態でいるのは酷だ。