後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密

ピピピ…


8時10分にセットしたアラームが鳴る。


スマホを取り上げて、アラームを消した。


いつもなら、私が五十嵐くんを起こしてる時間。


――来てもらえなかったな…。


ほら。


期待したからこんな気持ちになるんだよ。


やっぱり期待なんかしちゃダメだった。


ベッドから降り、リュックを持って上履きを履くと、久保田先生に挨拶してトボトボと教室へ向かった。


残念だけど、頭痛はすっかり良くなっていた。


「紗英!おはよ。」


「亜紀、おはよー」


後ろから、声をかけてくれた亜紀に挨拶する。


でも、いつもと雰囲気が違う。なんだか嬉しそうだ。


「亜紀、何かいいことあった?」


「あ、分かる?」


そう言って亜紀は嬉しそうに私の耳元でこっそり教えてくれた。


『昨日、中野くんから告白されちゃった。』


『えっ!?じゃあもしかして…』


『そ!付き合うことになりました!』


『おめでとー!』


私は亜紀の顔を見ながら小さく拍手をしてみせた。


2人で顔を寄せ合って喜びを分かち合う。

< 42 / 76 >

この作品をシェア

pagetop