後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密
ピピピ…
8時10分にセットしたアラームが鳴る。
スマホを取り上げて、アラームを消した。
いつもなら、私が五十嵐くんを起こしてる時間。
――来てもらえなかったな…。
ほら。
期待したからこんな気持ちになるんだよ。
やっぱり期待なんかしちゃダメだった。
ベッドから降り、リュックを持って上履きを履くと、久保田先生に挨拶してトボトボと教室へ向かった。
残念だけど、頭痛はすっかり良くなっていた。
「紗英!おはよ。」
「亜紀、おはよー」
後ろから、声をかけてくれた亜紀に挨拶する。
でも、いつもと雰囲気が違う。なんだか嬉しそうだ。
「亜紀、何かいいことあった?」
「あ、分かる?」
そう言って亜紀は嬉しそうに私の耳元でこっそり教えてくれた。
『昨日、中野くんから告白されちゃった。』
『えっ!?じゃあもしかして…』
『そ!付き合うことになりました!』
『おめでとー!』
私は亜紀の顔を見ながら小さく拍手をしてみせた。
2人で顔を寄せ合って喜びを分かち合う。