後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密

『今日、また放課後来てよ。』


『来てって…。』


――もしかして、また五十嵐くんの部屋に来てってこと?


『ごめん、今日用事が…』


亜紀とさっき約束したばっかりだ。


『あっ…そ。』


そう言うと、五十嵐くんは部活バッグを床に置いて、リュックの中身を取り出し始めた。


私も前に向き直って授業の準備を始めることにした。


ちょうど先生も教室に入ってきて、いつものように、朝礼から始まる。


――五十嵐くん、どういう気持ちで私に声かけてるの?


期待してしまったり、期待するのをやめたり、ホント気持ちが(せわ)しない。


私も、亜紀と中野くんみたいに、五十嵐くんと…


そんな風に、また期待する自分が嫌になる。


「今週末から夏休みだな。夏休み期間中の課題がそろそろ出てる頃だが…」


先生がそんな話をしてるのを聞きながら、私は夏休み以降、五十嵐くんと席が離れ離れになることを想像しながら、早くも寂しい気持ちになっていた。

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