後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密
「…っと」
五十嵐くんが咄嗟に私の身体を左手で支えて隣の人にぶつからないようにしてくれた。
「ありがと。」
五十嵐くんを見上げて御礼を言うと、少し顔を赤らめた五十嵐くんが軽く頷いて返答した。
私もなんだか恥ずかしくなって、俯くと、五十嵐くんがゆっくり私に近づいて、私の腰にそっと左手を添える。
「…!!」
――やばい、絶対に今、耳まで真っ赤になってる…!!
バレないように、リュックに顔を埋める勢いで俯いていると、上から『嫌?』という五十嵐くんの声が聞こえた。
ふるふると頭を振ると『今日は素直なんだ。』という声が聞こえた。
そのまま、彩瀬駅につくまで、私達はお互いに俯いたままだった。
でも駅につくまで、五十嵐くんの手は私の腰あたりをずっと支えてくれていた。