後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密
「五十嵐くんがイチゴのクレープにすればいいでしょー?」
また可愛くないことを言ってるって自覚しながらもそう返すと、ミールメニューをずっと見ていた五十嵐くんが「俺、ツナチーズ」と言った。
「五十嵐、お前それ晩めしじゃん!」
中野くんが笑いながらそう言うと五十嵐くんは「いや、晩めしではない。これ前菜みたいなもん。」って笑いながら答えていた。
4人それぞれ注文を済ませ、受け取り口で待っていると、先に注文した中野くんと亜紀のクレープが2つ一緒に出てきた。
「先に席座っとくねー」と言ってくれた亜紀の行き先を確認してから、五十嵐くんと2人で自分たちのクレープが出てくるのを待つ。
「店員さん、すごいよね。あんなに綺麗に丸い生地作ってさ。」
私がそう言うと、五十嵐くんも「だよなー」と言いながら店員さんが手早くクレープを作っていくのを見つめた。
私が注文した抹茶ショコラが先に作られていく。
丸く焼いた生地の上にトッピングが乗っていくのを見ると、五十嵐くんが呟いた。
「…入ってんじゃん。イチゴ。」
「…」
そう。実はちょっとだけイチゴが入ってるメニューにしたの。五十嵐くんが好きなイチゴ。ちょうだいって言われたら…あげてもいいかな、なんて。