後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密

「お待たせしました〜!お先に抹茶ショコラです。」


どうぞ、と言って差し出されたクレープを受け取る。


抹茶アイスの横に添えられるようにしてイチゴが乗っていた。


「…くれるの?」


そう言って五十嵐くんが私を見つめてきた。


「…食べる?」


そう言われたのが意外だったのか、五十嵐くんの二重の目がいつもよりちょっと大きくなった。


私は自分の言動が恥ずかしくなって顔が熱くなるのを感じた。


――待ってたの。五十嵐くんが期待して、そう言ってくれるのを。


「…食べたい。ちょっとちょうだい。」


そう言うと、五十嵐くんは私のクレープに顔を近づけて、イチゴが乗ってるところを一口食べた。


スライスされたイチゴが1つと、そばにあった生クリームとチョコソース、それにクレープの生地が食べられて、私のクレープはちょっと欠けた。


「…甘。でも、美味(うま)いよ。」


そう言って五十嵐くんは、ニヤッと笑うと「ごちそーさま。」と言った。


――なんか、自分が食べられたみたいな気分になるな…。


五十嵐くんとの間に流れた空気感も、妙に甘い気がする。

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