後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密

「…好きです。付き合ってください。」


そんな声が聞こえてきた。


――あ、なんか告白中?


邪魔したら悪いと思い、壁際に隠れていると「なんで俺のこと好きなわけ?」という声が聞こえてきた。


その声が誰か、すぐわかった。


――五十嵐くんだ。


声がする方を覗き見てみると、Tシャツと短パンにビブスを身に着けた背の高い男子がチラッと見えた。


あの身長と声なら、五十嵐くんで間違いなさそう。


五十嵐くんの問いに相手の子は何か答えてるみたいだけど、五十嵐くんは黙って聞いてるみたい。


しばらくして最後に聞こえたのは…


「まぁ…いいよ。」


――いいんだ。


付き合うんだ。五十嵐くん。


『なんで俺のこと好きなわけ?』


――私、そう聞かれたらなんて答えるんだろ。


さっきの人みたいに、「いいよ」って言ってもらえるような答え、言えるのかな。


あの子は言えたんだね。五十嵐くんが納得できるような、五十嵐くんを好きな理由。

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