後ろの席の五十嵐くんと私の、2人だけの秘密
気付いたら、五十嵐くんと話していた女の子は校舎の方に歩いていってた。
ぼーっとしながらその子を見てたら「松田さん?」
って声をかけられた。
やっぱり五十嵐くんだった。
「…おはよ。」
そう言って、何もなかった風を装う。
「…さっき、聞こえてた?」
五十嵐くんがそう聞いたから「ん?なに?」と返した。
「や、なんでもない。」
そう言うと、五十嵐くんは目を伏せて、そのまま駐輪場を出ていった。
――私も行こ。
ガチャン、と鍵をかけ、教室へ向かう。
教室に入ると、先に来ていたクラスメイトに声をかけながら自分の席に向かう。
五十嵐くんはまだいない。
部室で着替えてきてるのかもしれない。
ガラガラッと教室の扉がまた開いた。
亜紀の声が聞こえたから目を向けてみると、中野くんと一緒に亜紀が笑いながら教室に入ってくるところだった。
その後ろから五十嵐くんもついて入ってくる。
バチッと目が合って、咄嗟に目を逸らす。