幸せでいるための秘密
「ッッッあっくしょーい!!」
熱っぽい空気を丸ごと吹き飛ばすほどの男らしいくしゃみで、私は一瞬で我に返ると弾かれたように背を向けた。
椎名くんはむにゃむにゃと口を動かしながら、なんだかよくわからない寝言を上機嫌で吐いている。波留くんは……どんな顔をしているだろう。ちょっと怖くて、振り返られない。
「ご、ごめんね波留くん。私すみっこで全然平気だし、寝やすいように寝てくれていいからね」
「……ああ……」
明らかにテンションの下がった波留くんの声に気づかないふりをして、私は胸に手を当て大きく深呼吸を繰り返す。
危ない危ない。うっかり雰囲気に流されてしまうところだった。いや、流されても特に問題はないんだけど、……あれ? 問題なんてないんだっけ?
いろんな疑問が浮かんでは消える私の脳内に、ひつじが一匹、ひつじが二匹、ぴょんとジャンプしては消えていく。色々な疲れが全身から泥のように流れ出して、ついでに私の身体も一緒にドロドロ、ドロドロ、溶けていく。
鼻先にかすかに残る波留くんの残り香が、私の夢を昔日の思い出で塗りつぶし始めていた。
熱っぽい空気を丸ごと吹き飛ばすほどの男らしいくしゃみで、私は一瞬で我に返ると弾かれたように背を向けた。
椎名くんはむにゃむにゃと口を動かしながら、なんだかよくわからない寝言を上機嫌で吐いている。波留くんは……どんな顔をしているだろう。ちょっと怖くて、振り返られない。
「ご、ごめんね波留くん。私すみっこで全然平気だし、寝やすいように寝てくれていいからね」
「……ああ……」
明らかにテンションの下がった波留くんの声に気づかないふりをして、私は胸に手を当て大きく深呼吸を繰り返す。
危ない危ない。うっかり雰囲気に流されてしまうところだった。いや、流されても特に問題はないんだけど、……あれ? 問題なんてないんだっけ?
いろんな疑問が浮かんでは消える私の脳内に、ひつじが一匹、ひつじが二匹、ぴょんとジャンプしては消えていく。色々な疲れが全身から泥のように流れ出して、ついでに私の身体も一緒にドロドロ、ドロドロ、溶けていく。
鼻先にかすかに残る波留くんの残り香が、私の夢を昔日の思い出で塗りつぶし始めていた。