没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
フィリシティは三年前に死ぬ間際に自分を呼び寄せた母親に思いをはせた。
『クランドンを裏切ったからなのかしらね。こんな病で死んでしまうなんて思ってなかった』
『やめて。お母さま』
母は死期を悟ってフィリシティを病床に呼び寄せていた。
『あなたはクランドンの血を引く唯一の女性。本来ならクランドン侯爵家を継ぐ立場。わたしが怖いのはあなたに父が最後の力を振り絞って後を継がせようとしないかということよ』
母の父、つまり自分の祖父にあたるクランドン侯爵とは会ったことはなかった。けれど、噂ではもう病床につかれて長いと聞いている。もう長くはないだろうと。
『わたしのほうが先に死ぬとは思ってなかったから。いいこと!フィル。あなたはロジャーズ伯爵家の令嬢としてハリーを支えなさい。絶対にクランドンの養女になどなってはいけない。あの家は腐っている。そしてこれを…』
母は、ベッドの下から重厚な宝石箱を取り出した。
『クランドンを裏切ったからなのかしらね。こんな病で死んでしまうなんて思ってなかった』
『やめて。お母さま』
母は死期を悟ってフィリシティを病床に呼び寄せていた。
『あなたはクランドンの血を引く唯一の女性。本来ならクランドン侯爵家を継ぐ立場。わたしが怖いのはあなたに父が最後の力を振り絞って後を継がせようとしないかということよ』
母の父、つまり自分の祖父にあたるクランドン侯爵とは会ったことはなかった。けれど、噂ではもう病床につかれて長いと聞いている。もう長くはないだろうと。
『わたしのほうが先に死ぬとは思ってなかったから。いいこと!フィル。あなたはロジャーズ伯爵家の令嬢としてハリーを支えなさい。絶対にクランドンの養女になどなってはいけない。あの家は腐っている。そしてこれを…』
母は、ベッドの下から重厚な宝石箱を取り出した。