没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
それからずっとこの首飾りを売っていいのかどうか、心の葛藤との戦いが続いた。
最初はどうしても手をつけられなかった。
だけれど、父の二度目の借金の時やはり売るべき運命だったのだと思ったものだ。


「フィリシティはあの首飾りの真実を知っていたのか?」

母のことを考え込んでいたフィリシティをいつの間にかレオンがまっすぐ見ている。

真実?
やはり何かあるのね。

「真実というのが何の事なのか…。わたしが知っているのは母がクランドン侯爵家の代々跡継ぎである女性に伝わる首飾りを伯爵家に持参していて、遺言で、この首飾りを…」

言っていいものなのかどうか一瞬迷ったが、言うしかあるまいとと腹を括った。

「しかるべき商人に売りなさいと言ったことだけです」

レオンの目が一瞬細くなったと思った。
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