没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「母は死ぬ間際にもクランドン侯爵家を悪く言っていたのが印象的でした。あの家は腐っていると…。自分が早く死ぬのはクランドンを裏切ったからなのかしらと言っていました」

「そうか。クランドンを…」

「わたしは母の遺言通り首飾りを売りました。最初は遺言を守るべきか葛藤がありましたが、売ったことで肩の荷が下りました。今はとても気分がいいですわ」

そしてレオンを見上げる。

「あの首飾りには…なにか特別な因縁があったのですね」

母の病床に呼び出されたときから、あの首飾りにはなにかあるのだと思ってはいたが、まさか王家に関係するようなことだとは…。そこまで重要なことだとは思っていなかったけれどきっととてつもなく重要なものだったのだわ。

「ああ。そうだ。あの首飾りはとてつもなく重要なものだった」

レオンがまっすぐに見上げるフィリシティと瞳をあわせた。

とても深い碧色だわ。とフィリシティは吸い込まれそうになり、目を離せなくなる。
マーシの丘で見た時よりさらに深い色に思えるのは夜だからかしら。
とても…綺麗。

「フィリシティ。君に覚悟はあるか?」
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