タイムカプセル
彼は軍人に声をかけ、交渉する。数十分ほど経ち、軍人が何やら無線に話しかけている。知っているはずの知らない土地。故郷の変わり果てた姿もあり、私は不快感のある緊張を覚えた。
彼を先頭に、私と幼馴染は鉄格子の向こうを歩いていた。荒れ果てた土地を見て、戦争の悲惨さが伝わってくる。徐々に学校に近づいていく。私はこの重苦しい沈黙を破った。
「どうやって交渉したんだ?」
彼はこちらを見ることなく答えた。
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