婚約破棄されたので、好きにすることにした。
「いや、ただの庶子だ。それに、クロエと生きるためにすべてを捨ててきた」
「ふぁっ?」
急に引き合いに出されて慌てるクロエの耳元で、エーリヒが彼女にだけ聞こえる声で呟く。
「……という設定で」
自分達はどうやら、元騎士と移民の女性の駆け落ちという設定らしい。
だからエーリヒは、クロエに手を出そうとした男達をすべて叩きのめしたのだろう。
身分や地位を捨てるほど愛した女性を守るのは、当然のことだ。
(わかったわ。設定ね!)
演技なら任せて、とクロエは自分を抱きしめるエーリヒの腕に手を添えて、愛しそうに彼を見上げて微笑んでみせた。
完璧な笑顔だと思っていたのに、なぜかエーリヒは視線を逸らしてしまう。
(あれ、駄目だった?)
白い肌が薄紅色に染まっているので、自分で言い出しておいて恥ずかしくなったのかもしれない。
「まぁ、ギルドで名を挙げれば、移民でも国籍を与えられる。そうなったら結婚も可能だから、頑張れよ」
中年のギルド員はそう言って励ましてくれた。
そう。目指しているのはその国籍なのだから、頑張って功績を残さなくてはならない。
「ありがとう。ふたりの未来のために頑張るわ」
「ふぁっ?」
急に引き合いに出されて慌てるクロエの耳元で、エーリヒが彼女にだけ聞こえる声で呟く。
「……という設定で」
自分達はどうやら、元騎士と移民の女性の駆け落ちという設定らしい。
だからエーリヒは、クロエに手を出そうとした男達をすべて叩きのめしたのだろう。
身分や地位を捨てるほど愛した女性を守るのは、当然のことだ。
(わかったわ。設定ね!)
演技なら任せて、とクロエは自分を抱きしめるエーリヒの腕に手を添えて、愛しそうに彼を見上げて微笑んでみせた。
完璧な笑顔だと思っていたのに、なぜかエーリヒは視線を逸らしてしまう。
(あれ、駄目だった?)
白い肌が薄紅色に染まっているので、自分で言い出しておいて恥ずかしくなったのかもしれない。
「まぁ、ギルドで名を挙げれば、移民でも国籍を与えられる。そうなったら結婚も可能だから、頑張れよ」
中年のギルド員はそう言って励ましてくれた。
そう。目指しているのはその国籍なのだから、頑張って功績を残さなくてはならない。
「ありがとう。ふたりの未来のために頑張るわ」