婚約破棄されたので、好きにすることにした。
あれから駆け付けた別のギルド員に、エーリヒも同席してちゃんと魔力登録をしてもらった。
そのあとに謝罪をしたいと言われて、ここに案内されたのだ。
サージェはふたりに向かって深々と頭を下げる。
「ふたりが身分を捨てて駆け落ちしたとは知らず、勝手に勘違いをしてひどいことをしてしまった。本当に申し訳ない」
「いや、誤解が解けたのなら、それで構わないのだが……」
エーリヒが戸惑っているのは、クロエが謝罪さえ受け入れないとでも言うように、そっぽを向いて黙り込んでいるからだ。
サージェは移民出身の魔導師で、魔法ギルドの正職員になる前はとても苦労したらしい。とくに魔石の利益に目の眩んだ貴族には、相当ひどい目に合わされたようだ。
それには同情しなくもないが、こちらの言い分を一切聞かず、エーリヒを攻撃したことを許すつもりはない。
これでも不幸を願いそうになる心を、必死に制御しているのだ。
「クロエ」
エーリヒが宥めるように、クロエの黒髪に触れる。
「俺は大丈夫だから、機嫌を直して?」
耳元で囁くように言われて、思わず頬が染まる。
「……エーリヒが、そう言うなら」
そのあとに謝罪をしたいと言われて、ここに案内されたのだ。
サージェはふたりに向かって深々と頭を下げる。
「ふたりが身分を捨てて駆け落ちしたとは知らず、勝手に勘違いをしてひどいことをしてしまった。本当に申し訳ない」
「いや、誤解が解けたのなら、それで構わないのだが……」
エーリヒが戸惑っているのは、クロエが謝罪さえ受け入れないとでも言うように、そっぽを向いて黙り込んでいるからだ。
サージェは移民出身の魔導師で、魔法ギルドの正職員になる前はとても苦労したらしい。とくに魔石の利益に目の眩んだ貴族には、相当ひどい目に合わされたようだ。
それには同情しなくもないが、こちらの言い分を一切聞かず、エーリヒを攻撃したことを許すつもりはない。
これでも不幸を願いそうになる心を、必死に制御しているのだ。
「クロエ」
エーリヒが宥めるように、クロエの黒髪に触れる。
「俺は大丈夫だから、機嫌を直して?」
耳元で囁くように言われて、思わず頬が染まる。
「……エーリヒが、そう言うなら」