婚約破棄されたので、好きにすることにした。
 手を差し伸べてくれたエーリヒに掴まりながら、何とか立ち上がる。
「ああ、そっか。制限がないのなら、自分で作ればいいのね」
「クロエ?」
 この力を理解するまで、自分で制御できるようになるまで、封印してしまえばいいと思い立つ。
 便利な力かもしれないが、今のままだと力に呑まれてしまいそうで怖かった。
「私とエーリヒが危険な状態になったときを除いて、魔女の力を封じるわ。しばらくは魔導師として、きちんと学んで力を使いたいから」
 そう宣言すると、自分の中にある扉が閉まったようなイメージが浮かぶ。
 鍵の掛った扉だが、クロエ自身はその鍵を持っているので、いつでも開くことができる。
「うん、これでいい。今までの魔法は消えないから、私は怪我に、エーリヒは病気に気を付けていこうね」
 クロエは病気になることはなく、エーリヒの右腕は無敵状態だ。
 さらに力を封印したとはいえ、クロエの魔力は膨大だし、エーリヒの剣技は他の冒険者を圧倒していた。
(まぁ、チートであることには変わりはないかな?)
 きっと何とかなるだろう。
 クロエの希望通りに明日は薬草採取に行くことになった。
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