婚約破棄されたので、好きにすることにした。
「それが普通だな。それに団長は、何か思惑があって娘をキリフ殿下に嫁がせたがっていたようだ。逃げたくらいでは諦めないと思うよ」
父の部下だったエーリヒは、侯爵ではなく団長と呼ぶ。
(それにしても、まさかお父様が私を探していたなんて)
出世欲か、名誉欲か。
それとも、何か別の思惑があるのか。
「……たしかにあのお父様なら、何か企んでそう。そのためなら、私を引き摺ってでも連れ戻して、キリフ殿下に頭を下げさせるでしょうね」
これからの未来しか考えていなかったクロエは、そう簡単に自由にはなれない現実を突きつけられて、大きく溜息をついた。
「王都から出てしまえば、何とかなると思っていたのに」
「予定とは違うが、しばらくここに潜んで、向こうの様子を探ったほうがいい」
「はぁ……。それしかないわね」
明るい未来ばかり想像していた自分が甘かったのだと、クロエは反省するしかなかった。
(クロエなら、ちゃんと知っていたはず。あの父親がどれほど横暴で、娘のことなんか道具みたいにしか思っていないことを。でも前世の私が、勝手に自由になったと思い込んでいたのね)
父の部下だったエーリヒは、侯爵ではなく団長と呼ぶ。
(それにしても、まさかお父様が私を探していたなんて)
出世欲か、名誉欲か。
それとも、何か別の思惑があるのか。
「……たしかにあのお父様なら、何か企んでそう。そのためなら、私を引き摺ってでも連れ戻して、キリフ殿下に頭を下げさせるでしょうね」
これからの未来しか考えていなかったクロエは、そう簡単に自由にはなれない現実を突きつけられて、大きく溜息をついた。
「王都から出てしまえば、何とかなると思っていたのに」
「予定とは違うが、しばらくここに潜んで、向こうの様子を探ったほうがいい」
「はぁ……。それしかないわね」
明るい未来ばかり想像していた自分が甘かったのだと、クロエは反省するしかなかった。
(クロエなら、ちゃんと知っていたはず。あの父親がどれほど横暴で、娘のことなんか道具みたいにしか思っていないことを。でも前世の私が、勝手に自由になったと思い込んでいたのね)