婚約破棄されたので、好きにすることにした。
「キリフ様は私の婚約者です。取らないでください!」
大勢の前でそう言われ、腹立たしくてその手を思いきり振り払った。
「私はお前などのものではない。思い上がるな」
冷たい声でそう言い捨てれば、クロエはその場に崩れ落ちた。倒れ伏すその姿に、加虐心を刺激される。
この女は、これほどまで自分を求めている。今にでも自分の足もとに縋って、捨てないでと泣き叫ぶかもしれない。
そうしたら、どう言ってやろうか。
「お前がそんな女だとは思わなかった。態度を改めないのならば、婚約を解消するしかないな」
婚約破棄。
この女にとって、何よりもつらい言葉のはずだ。
それなのになぜか、彼女は急に冷静な顔をして、周囲を見渡している。
先ほどまで泣き叫んでいた女と、同一人物だとは思えないほどだ。
(何だ?)
不審に思って覗き込もうとすると、なぜかクロエは、満面の笑顔で頷いた。
「はい、承知しました」
表情もだが、その言葉も信じられないものだった。
だがクロエはそう言うと、さっさとその場を立ち去ろうとしている。
「私に逆らうつもりか!」
カッとなって、思わずそう怒鳴っていた。
大勢の前でそう言われ、腹立たしくてその手を思いきり振り払った。
「私はお前などのものではない。思い上がるな」
冷たい声でそう言い捨てれば、クロエはその場に崩れ落ちた。倒れ伏すその姿に、加虐心を刺激される。
この女は、これほどまで自分を求めている。今にでも自分の足もとに縋って、捨てないでと泣き叫ぶかもしれない。
そうしたら、どう言ってやろうか。
「お前がそんな女だとは思わなかった。態度を改めないのならば、婚約を解消するしかないな」
婚約破棄。
この女にとって、何よりもつらい言葉のはずだ。
それなのになぜか、彼女は急に冷静な顔をして、周囲を見渡している。
先ほどまで泣き叫んでいた女と、同一人物だとは思えないほどだ。
(何だ?)
不審に思って覗き込もうとすると、なぜかクロエは、満面の笑顔で頷いた。
「はい、承知しました」
表情もだが、その言葉も信じられないものだった。
だがクロエはそう言うと、さっさとその場を立ち去ろうとしている。
「私に逆らうつもりか!」
カッとなって、思わずそう怒鳴っていた。