婚約破棄されたので、好きにすることにした。
娘のクロエが、王女よりも強い力を持った魔女だなんて、彼はまったく知らなかったのだ。
幕間 王女カサンドラの不安
アダナーニ王国の王女カサンドラには、お気に入りの騎士がいた。
アウラー公爵家の庶子で、カサンドラの友人であるクラーラの異母弟のエーリヒである。
彼の母親は貴族ではなく、アウラー公爵に勤める侍女だった。
エーリヒとの出会いは、カサンドラがまだ幼く、魔女としての力に目覚める前のことだ。
カサンドラの遊び相手として選ばれた公爵令嬢のクラーラが、たまにエーリヒを連れて来ることがあったのだ。
彼女にとってエーリヒは異母弟(おとうと)になるが、婚外子という立場のせいか、公爵家では従僕のような扱いだったようだ。
クラーラはお気に入りの人形を見せびらかすように、エーリヒを連れ歩いていた。
たしかに、とても美しい少年だった。
煌く銀色の髪に、北方の人間のような白い肌。サファイアを思わせる青色の瞳。
感情を表に表すこともなく、ただ黙ってクラーラに従う姿は、本当に生きた人形のようだった。
幕間 王女カサンドラの不安
アダナーニ王国の王女カサンドラには、お気に入りの騎士がいた。
アウラー公爵家の庶子で、カサンドラの友人であるクラーラの異母弟のエーリヒである。
彼の母親は貴族ではなく、アウラー公爵に勤める侍女だった。
エーリヒとの出会いは、カサンドラがまだ幼く、魔女としての力に目覚める前のことだ。
カサンドラの遊び相手として選ばれた公爵令嬢のクラーラが、たまにエーリヒを連れて来ることがあったのだ。
彼女にとってエーリヒは異母弟(おとうと)になるが、婚外子という立場のせいか、公爵家では従僕のような扱いだったようだ。
クラーラはお気に入りの人形を見せびらかすように、エーリヒを連れ歩いていた。
たしかに、とても美しい少年だった。
煌く銀色の髪に、北方の人間のような白い肌。サファイアを思わせる青色の瞳。
感情を表に表すこともなく、ただ黙ってクラーラに従う姿は、本当に生きた人形のようだった。