婚約破棄されたので、好きにすることにした。
 どちらも魔法を使う存在よね、と尋ねると、エーリヒは頷いた。
「そう。まず、この世界には魔力を持っている人間と、持っていない人間がいる。割合としては、持っていない人間のほうが圧倒的に多い」
 エーリヒは何も知らないクロエのために、詳しく説明をしてくれた。
「魔法を使える人って少ないの?」
「少ないな。だが魔力を持っていなくても、魔石を使えば簡単な魔法を使うことができる。そのため、魔石は非常に高価なものだ」
 魔石を使って魔法を使う者は、魔術師と呼ぶらしい。
 その魔石は、水晶に魔力を詰めて作る。
 そもそも魔力を持っている人が少ないのだから、魔石も希少価値があり、高額となる。しかもそんな高額な魔石を使っても、初歩的な攻撃魔法しか使えないらしい。
「うーん、効率が悪いわね……」
「それでも、世の中には魔法でしか倒せない魔物がいる。高額でも手に入れたい者は多いよ」
 そんな魔石を使うことなく魔法が使えるのが、魔導師だ。
 この国には五人ほどしかいないが、北方には数百人ほどいるらしい。
(それでも、大陸全体だと思うと少ないわね……)
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