婚約破棄されたので、好きにすることにした。
(私達は相棒。共犯者? そういうのだから!)
 そう言い訳をして、勉強に集中する。
 純粋な魔導師はとても少ないが、冒険者の中には魔石を使って魔法を使う魔術師がいる。そのため、わかりやすい魔法の本もたくさん置いてあった。
 でも理論は学べても、感覚となるとなかなか難しい。
(元の世界にはないものだからなぁ)
 今まで何度か魔法を使ったようだが、自分の意志で明確に使ったのは、王城で監視魔法を吹き飛ばしたときだけだ。
 それでも知識を身に付けることは無駄にはならないだろうと、せっせと勉強を続けた。
「ん……。そろそろ時間かな?」
 昼近くまで本を読んでいたクロエは、本を閉じて背伸びをした。
 今日は、近所の友人たちがこの家に集まる日だ。
 ただお茶を飲みながらおしゃべりをするだけだが、それなりに楽しい時間だ。
 王都についての情報収集にもなる。
「クロエさん、こんにちは」
「お邪魔しまーす」
「こんにちは」
 時間になると、近所に住む友人たちが訪ねてきた。クロエは彼女たちを迎え入れて、部屋に通した。
「いらっしゃい。中にどうぞ」
 お茶を淹れて、焼き菓子を出す。
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