身代わり婚約者との愛され結婚
「成人し夜会デビューもしただろう? ならば次は俺たちの婚姻を結ぶ時期だ。なにしろ俺たちはもう婚約して四年もたっているんだから」

“その四年間で貴方が茶会に来た回数、ゼロですが!?”

 
 愕然としている私なんて気にならないらしいベネディクトは、そのまま更に話を続ける。
 

「とりあえず二ヶ月後でどうだ?」
「に、二ヶ月後……!?」
「書類にサインするだけなんだ、俺は別に今すぐでも構わないが」

 しれっとされたその提案に目眩がする。

「家同士の結婚をそんな簡単になんて進められないわよ」
「お披露目パーティーのことか? まぁアルベルティーナ嬢がしたいなら構わないが、準備はそっちでやってくれよ。何しろ俺は仕事が忙しいからな」

 
“娼館で腰振る仕事がでしょ!”

 ベネディクトのあまりの無責任な言い種に苛立ち、下品な言葉が私の中で駆け巡るが口にはしていないのでセーフだと自分に言い聞かせ、なんとか言葉を飲み込んだ。
  

 言葉は飲み込んだが、この提案自体をすぐに飲むなんてことは当然出来るはずはない。


「とりあえず、流石に早急すぎよ。少し時間をちょうだい」
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