身代わり婚約者との愛され結婚
 あの時とは違い、心から笑えた私にジョバルサンもハンナも瞳を赤くしてしまって。

「まぁ、泣かなくていいのよ?」
「お嬢様……!」

 駆け寄ってくれたハンナをそのまま抱き締めた。

 
「また改めてお伺いします」
「えぇ、我々はいつでもお待ちしております」

 微笑んだレヴィンに頭を下げるジョバルサン。
 ジョバルサンの言葉に、来訪を待つという意味だけではない意味が含まれていることに気付き私の胸がじわりと温かくなる。


「気を付けてね」
「はい。ティナもいい夢を」

 姿が見えなくなるまで見送った私は、やっとハンナと一緒に部屋に戻って。

 

「き、きゃぁぁぁあ!!!」
「わ、わゎっ!?」

 ハンナが家中に響くのでは、と思うほどの声で叫び声を上げてギョッとする。

 その声を聞き、レイチェルも部屋に飛び込みジョバルサンは扉の向こうから何度も声をかけてくれた。


「お嬢様の足が!」
「きゃぁぁぁあ!!!」
「レイチェル、貴女もなの!?」
「ハンナ! 足がっ、足がどうしたのですッ」

 一瞬で大騒ぎになった私室に焦りつつ、こんなに心配してくれる皆に感謝する。

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