身代わり婚約者との愛され結婚
「て、ティナ!」

 私が店主に続きを促すと、ハッとしたレヴィンが慌てて私たちの話を遮ろうとするが――


「ピンクのポピーの花言葉は恋の予感なんです」
「ちょっ」
「こ、恋の予感……!?」

 教えられた花言葉に思わず私も顔を真っ赤に染めてしまって。

「ちなみにヒマワリの花言葉は『あなただけを見つめる』なので、お二人が仲睦まじくて我々も嬉しいです」
「私だけを、見つめる……?」
「そ、れはっ」

 カァ、と更に赤くなるレヴィンに私はもう顔を上げていられなくて。
 しかもそんな爆弾を投げ込んだ店主は、他の客に呼ばれ私たちをその場に残して行ってしまった。


 沈黙が流れているはずなのにバクバクと心音がうるさい。
 けれどこの苦しさが全然嫌ではなくて。


「レヴィン、この後なのだけれど」
「あ、は、はい。どこか行きたいところはありますか?」 

 こほんと咳払いし、なんとか冷静を保とうとしているレヴィンが可愛く見えてしまう。

“二歳とはいえ、年上の男性に可愛いなんて失礼かしら”

 それでも可愛くて、そしてその取り繕った表情をまた壊したくなって。

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