黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「あの、ダニエル殿下は日本…」

「ミオ様！」

「え！？ ウィル様！？」

ウィル様の声に驚いて咄嗟にダニエル殿下の後ろに逃げた！
もちろん身体には触れない少し離れた距離で隠れる。

「……ダニエル殿下、これから神殿長と予定があるのではなかったでしょうか？」

「え、ええ、その通りです。偶然聖女様にお会いしたので少々お話をさせていただいておりました」

「……そうですか」

ウィル様がダニエル殿下を睨んでる！！
あんなに怒ってるの初めて見た！

「いや、その！ウィリアム殿下の婚約者様である聖女様に何もしておりませんので！聖女様、どうされましたか！？ もしや、喧嘩でもされましたか？」

ダニエル殿下が振り返りながら私を見てオロオロしている。
このままだと国際問題に発展しちゃうわ！！

「ちょっと驚いただけです。ごめんなさい」

ダニエル殿下の後ろからソロリと前に進むとウィル様に手をグッと引かれて抱きしめられた！

「ッ！！」

「そ、そんなに睨まないでください！本当に何もしておりませんので！では！」

焦りながらダニエル殿下は通路を進んで行った。

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