黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「あの…ウィル様?」

「……ミオ様」

きつく抱きしめて離そうとしない。
その手が震えている?

「ダニエル殿下のことは怖くはないのですか? お話をされていましたね」

「え? ダニエル殿下のことが?」

「ええ」

「そうですね。前世での知り合いに似ているからでしょうか」

「……それはあなたが憧れていたという?」

「え? 何でそれを知っているの!?」

私を抱きしめる腕に力がこもる。

「……今世でも?」

「いや、流石にそんなことはない…あっ!」

ふと、周りからの視線に気づく。
ここは誰もが通る通路だった!
王子がこんな所で婚約者を抱きしめているから、皆が通れなくなってる!
サッと目を反らしてくれているけど、恥ずかしいし、通りたい人達に申し訳ない!

「ウ、ウィル様!ちょっと離れて!」

「嫌です」

「え!? み、見られてるし、邪魔になってる!」

ウィル様の胸を押しながら小声で伝える。

「あなたが…あなたが私以外の男の後ろに隠れるなんて……」

さらに強く抱きしめられた!

「ウィル様…?」

しばらくウィル様は私を離そうとはしなかった。


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