黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「それと……私は人前に出るのが苦手なんです。そんな人が聖女様なんて務まるのでしょうか?」

「しばらくは神殿や隣にある王宮で過ごされて、少しずつこの王国での暮らしに慣れていただければと思います。無理に人前に出ることはありません。歴代の聖女様達もご自分に合った過ごし方をされていました。あまり神殿から出ない方もいらっしゃいましたし、この王国の各地を転々と旅をしながら過ごされていた聖女様もいらっしゃいました」

王子様も優しく伝えてくれる。
やっぱりこの人の微笑みと声は安心するわ。

「そうなんですね…」

歴代の聖女様達は自分に合った生活スタイルで過ごしていたということね。
無理に人前に出なくていいみたいでホッとする。

「他に聖女様はいらっしゃいますか?」

「いえ、ミオ様おひとりでございます」

他に聖女様はいないのか…。

「あと、急にこちらに現れた私はこの国でお世話になっていいのですか?」

何も知らない所だし、知り合いもいない上に、住む家もない。
いわば、この王子様達が私を保護してくれているような状態?

「もちろんです。ぜひこのエーデル王国でお過ごしください。先程の『聖女の間』がミオ様のお部屋でございます。歴代の聖女様達もお過ごしになられていた所です。そして私達がミオ様のお力になれるように、お傍にいさせていただきたいと思っております」

「ありがとうございます。でも皆様はお忙しいのでは?」

特に王子様なんて立場の人は、私なんかに構っていられないんじゃないの?

「いえ、この王国に来てくださった聖女様のお力になることは王族の勤めでございます。今までと同じく、これからもミオ様に会いにまいります」

「王子様…」

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