黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
席に着くと私は挨拶の場を途中で退席してしまったことを詫びた。

「目覚めたばかりのミオ様への私達の配慮が足りず申し訳ございませんでした」

しかし、王妃様には逆に謝られてしまった。

「い、いえ!まさか10年間も眠っていたとは知らず、不快な思いをさせてしまったのは私ですし!」

「そんなことはありませんでしたよ。ご安心くださいませ、ミオ様」

どうやら本当に私は異臭を放っていた訳ではなさそうだった。
聖女の間で眠っていた時に毎日霧のようなものが私に降りかかる時間があったようだ。
それは決まって夜の時間帯で、月明かりに照らされてキラキラとした霧を浴びている様子はとても綺麗だったらしい。
たぶんそれがお風呂替わりのようなものだったのではないかという話だった。

「そんなことが……。良かった!安心しました!」

本当に良かったー!!
謎の霧!ありがとう!!
安心したあまりに涙目になり、謎の霧に感謝をする。

「眠り続けていたうえに異臭を放ち、起きてもなお臭い女なんてもう謝罪どころの話ではありませんよね…。ご迷惑をおかけしてし過ぎてこの国を出て行かなきゃいけないレベルですよ……」

「この国を出て行く!? ダメです!!ミオ様は私達の憧れの聖女様なのですから!!」

「憧れの聖女様!?」

ソフィー様からそんなことを言われて驚いてしまった。

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