14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 建物の中に歩を進めると、広いロビーの奥の壁に滝のような水が流れている。ラグジュアリーなソファセットが何組かある。

「ロビーに滝があるなんて」

「あれはアクアウォールというんだ。帰国してからこのマンションへ引っ越し準備をしていて、先週越して来たんだ」

「すごい……高そう……」

 エレベーターに乗り込み、大和さんは最上階の三階を押した。低層階マンションらしいが、贅を凝らしたリッチでラグジュアリ―な建物だ。

 マンションはLの字になっており、彼の部屋は三階の一番奥だった。
 カードキーで玄関の鍵を開けた大和さんは私に入るよう促す。
 土間は艶やかで顔が写りそうな御影石で、廊下の左右にもドアがある。
 きちんと二足の白と紺のスリッパが揃えられていた。

「紬希は白い方を使って」

 大和さんは紺のスリッパに足先を入れて、五メートルほど廊下の先にあるガラスのドアを開けた。

 そこは広いリビングルームで一面の窓から太陽光が差し込んでいて、とても明るい。
 壁にかかった大画面のテレビやオーディオセット、ゆったりと大きなグレーのカウチソファが置かれている。
 テレビの横にドアがある。

「素敵な部屋ですね」

「あとで案内するから、まずは座って。コーヒーを入れてくる」

「あ、私が」

「大丈夫。ベランダに出てもいいよ。サンダルがある」
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