14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 優里亜さんの件が渦巻いているので、つい言ってしまうと、大和さんは腕の中で私を自分の方へ向かせる。

「入籍はまだだが、もう奥さんだろう? 紬希は俺のことを夫だとまだ思ってないのか?」

 明日から出張なのに、優里亜さんの話で嫌な前日にしたくない。

 見つめる漆黒の瞳に、にっこり笑う。

「……同居してまだそんなに経っていないもの。少しずつ慣れるわ」

「まあ戸惑うのも無理はないな」

「もう出来るから着替えてきて」

「ああ。着替えてくるよ」

 私を離した大和さんはベッドルームのドアへ消えた。


 ポン酢に擦った柚子の皮を入れ、プリプリの鶏肉と野菜がさっぱりとたくさん食べられた。
 具を少し残したあと、ご飯と溶いた卵を流し入れ雑炊にして食べ終えた。

 食事中もずっと優里亜さんの言葉が気になっていたが、いつもと変わらない大和さんなので、彼女が一方的に言っているだけなのかもしれないと思い始めている。

 もしも……ふたりの仲の良さそうな写真が送られてきたら……そのときに考えよう。

「ごちそうさま。おいしかったよ。やっぱり冬は鍋だな」

「うん。今日はすき焼きかキムチ鍋と迷ったの」

「それもいいな。帰国したらすき焼きにして。俺が牛肉買ってくるから」

 帰国したら……。
 やっぱり大和さんは普段と同じだ。

「お肉買って来てくれるの? それなら、最高級A5ランクのお肉をリクエストしようかな?」
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