俺の好きな人【完】



「…まあ、目が覚めたから」



平常心、平常心



「すっごくいい!似合ってるよ!」



宝石みたいに輝くその笑顔に、胸を撃ち抜かれて、


息が浅くなって、顔に熱が集中するのがわかる



「っ………さんきゅ」



…決めた毎日ヘアセットしよう



あんな笑顔向けてくるなんて、ずるいだろ


可愛すぎて爆破しそうだ


ーーー


放課後


この間のテストで欠点を取ってしまい、放課後の補習を受けて校舎を出ようと空を見上げた時



「まじかよ…」



さっきまで鮮やかな茜色に染まっていた空が、灰色になって大粒の雨をこぼしていた。


夏特有の夕立ち



傘なんて持ってるわけもなく。



もういいか、夏だし、濡れて帰ったって大したことじゃない。


一思いに外へと足を踏み出すと、



「え、」



腕に感じた微かな力に思わず声が出て、振り向くとそこにいたのは、


「神橋さん…!?」

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